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BSMI認証:台湾でエレクトロニクスを販売するために

箱に貼られた標識が、出荷を⁠左⁠右⁠す⁠る

欧州向けにCE、米国向けにFCCを取り終えたブランドほど、台湾を「ついでの市場」として扱いがちです。コンテナを出し、製品を店頭に並べ、税関で初めて、誰も手を付けていなかった認証が要ると知る。こうした例は珍しくありません。台湾は幅広い電気・電子製品を国境と市場の両方で検査しており、適合の証拠と標識がそろっていない製品は販売できません。この制度を運用しているのがBSMI(台湾経済部標準検験局)です。本稿では、その仕組み、自社製品がどの経路をたどるか、そしてBSMIの対象外となる領域を説明します。なお、これは一般的な案内であって、規制・法務のアドバイスとしてお読みいただくものではありません。個別製品の現行要件は、BSMIまたは規制コンサルタントにご確認く⁠だ⁠さ⁠い⁠。

最初の問い:貴社の製品は検査対象品目に入っているか

BSMIは、プラグが付いていれば何でも認証するわけではありません。関税に使うものと同じ商品分類(CCC)コードに基づいて、検査対象品目のリストを管理しています。家庭用電化製品、IT・オーディオビジュアル機器、照明、電源装置、それにリチウム電池やモバイルバッテリーはリストの常連です。一方で、商業用・産業用の製品の多くは、そもそもリストに載ってい⁠ま⁠せ⁠ん⁠。

ですから最初の一歩は、推測ではなく照会です。自社製品の分類コードをBSMIの検査対象リストと突き合わせるか、台湾の輸入業者やメーカーに確認を頼んでください。この答えが、そもそもBSMIが必要かどうかも含めて、その先のすべてを決めます。ここを楽観側に読み違えると高くつきます。気づくのはたいてい、貨物が留め置かれたときだからです。

適合性の経路:RPC、DoC、そしてバッチ検査

BSMIにはいくつかの適合性評価制度がありますが、エレクトロニクスで押さえるべきは主に2つです。

**検証登録(RPC)**は、リスト掲載の電子機器の大半(電化製品、充電器、照明、電池など)が通るメインの経路です。製品タイプをBSMI指定ラボで該当するCNS規格(台湾国家規格)に対して試験し、技術資料を添えて申請すると、BSMIが登録証明書を発行します。登録は製品と証明書保有者に紐づき、有効期間は3年、延長は1回だけ、さらに3年です。6年を過ぎたら、その先は更新できず、新規申請になります。期限切れの登録は、登録がないのと同じように出荷を止めてしまうので、期限管理は怠らないでください。

**適合宣言(DoC)**は、主にIT・オーディオビジュアル機器など、指定された低リスク品目が対象です。試験自体は認定ラボで同種のCNS規格に対して行いますが、BSMIへの製品登録は不要で、責任者が適合を宣言し、技術文書を手元に保管しておきます。手続きは速くて軽い一方、証拠の保管義務は本物で、市場監視当局からいつ文書の提出を求められてもおかしくあり⁠ま⁠せ⁠ん⁠。

型式承認とバッチ検査という経路もあります。製品タイプを承認したうえで、貨物を出荷ごとに検査する方式です。コンシューマーエレクトロニクスでは、登録を維持するより出荷ごとの検査のほうが割に合う、出荷量が少ない、あるいは不定期な場合に向いています。

どの品目がどの経路かは、BSMIが商品カテゴリーごとに公表しています。メーカーや代理人なら、貴社製品の経路を一言で答えられるはずです。答えに詰まるようなら、少し疑ってかかったほうがいいでしょう。

試験が実際にカバーするもの

CNS規格は対応する国際規格にかなり忠実です。すでに試験報告書を持っている製品には朗報でしょう。電化製品やオーディオビジュアル・IT機器の安全規格は、これらの製品が普段から試験しているIEC規格に対応し、EMC要件も該当するCISPR系の規格に対応しています。効能表示がこの分岐にどう効いてくるかは、IEC 60601とIEC 60335の比較ガイドで説明しています。BSMIは台湾の指定ラボによる試験の証拠を受け入れます。国際CBスキームの報告書があれば安全試験のやり取りを短縮でき、あとは台湾固有の差分だけ追加試験すれば済みます。

台湾ならではの事情が2つあります。ひとつは電源です。台湾の一般コンセントは110V/60Hzなので、220〜240V市場だけを想定した製品は、書類の差し替えでは済まず、電源設計そのものを見直す必要があります。もうひとつは有害物質です。台湾は通称・台湾版RoHSと呼ばれる独自の規制を、CNS 15663の表示要件を通じて運用しており、対象製品はBSMI適合の一部として、所定の様式で有害物質の含有量を申告⁠し⁠ま⁠す⁠。

リチウムセル、バッテリーパック、モバイルバッテリーは別枠です。台湾は現場での事故が続いたのを受けてこれらを強制検査の対象に加え、専用のCNSバッテリー安全規格で試験します。製品に電池が付く、あるいは製品自体が電池なら、早めに計画に入れてください。工場監査チェックリストで扱っているUN 38.3の輸送試験と、セットで考える話です。

商品検験標識

適合しているかどうかは、目で見て分かる形になっています。認証済みの製品には、証明書や宣言書までさかのぼれる識別番号付きの商品検験標識を付けます。標識は販売前に、所定の形式で製品または包装に表示します。検査官が確認するのは国境だけでなく、市場に並んだ後も見られます。標識はコンプライアンス設計の一部ですから、ラベルのデザインを固める段階で決めておくのが筋です。貨物が着いてからでは遅す⁠ぎ⁠ま⁠す⁠。

BSMIが対象としないもの

いまどきの製品にとって、大事な線引きが2つあります。

無線はNCCの管轄です。 BSMIが見るのは安全性とEMCで、無線周波数機器の認可は国家通訊傳播委員会(NCC)の仕事です。Wi-FiやBluetoothを積んだ製品は、BSMI適合に加えてNCC認可が要ります。申請も証拠も別々ですから、並行して進めてく⁠だ⁠さ⁠い⁠。

医療はTFDAの管轄です。 台湾で医療的な効能をうたう製品は、TFDA(衛生福利部食品薬物管理署)が医療機器として規制します。独自の登録要件と品質システム要件があり、話がまるごと変わります。どの当局の管轄になるかを決めるのは効能のうたい方で、これは台湾に限らずどの市場でも同じです。

海外ブランドにとっての実務⁠的⁠な⁠手⁠順

証明書の保有者は、台湾で登記された法人でなければなりません。台湾に子会社がない海外ブランドは、現地の当事者、つまり輸入業者、登録代理人、製造パートナーのいずれかを通じて認証を取ります。この選び方には商売上の重みがあります。登録は保有者に付いて回るため、中立的な当事者経由で認証を取ったブランドのほうが、後で輸入業者を替える自由が残るからです。

現実的な段取りはこうです。分類コードで対象かどうかを確かめ、経路(RPCかDoCか)を見極め、手持ちのIECベースの試験報告書を集め、指定ラボにCNS試験の見積もりを取り、証明書の保有者を決め、商品検験標識をラベルデザインに織り込む。台湾に拠点のあるメーカーなら、この一連の流れを自分の地元で、現地の言葉で、付き合いのあるラボと一緒に回せます。チャイナ・プラスワン製造ガイドで述べたサプライチェーン上の理由と並ぶ、台湾で作ることの地味ながら確かな利点のひとつです。

貴社のメーカーが担う役割

分業の形は、ほかの市場と変わりません。市場投入の判断と証明書の戦略はブランドが握り、工場は試験に通る設計と、その裏づけになるエビデンスを用意します。Gooten Innolifeは1996年から台中で家庭用電化製品やホームユース機器を作ってきました。ISO 13485:2016とISO 9001:2015のもとで運営し、CE・FCC・CB・PSE・BSMIにわたる製品コンプライアンスの経験があります。台湾島内での文書作成や試験の調整を通じて、お客様の規制対応を支えるのも当社の仕事です。台湾へ売り込むブランドにとっては、ラボ、言語、標識、スケジュールという現地側の半分が、製品を作っている場所でそのまま片づくということです。

FAQ

製品がすでにCEとFCCを取得していても、BSMIは必要ですか? その製品が台湾の強制検査対象リストに載っていれば、必要です。既存のIECベースの報告書やCB証明書は試験の大きな助けになりますが、台湾の適合手続きと検験標識まで代わりにはなり⁠ま⁠せ⁠ん⁠。

BSMI認証にはどれくらいの期間がかかりますか? 経路と製品、それに手元の試験証拠がどこまでそろっているか次第です。しっかりした報告書があるDoC製品なら、ゼロから試験を始めるRPC製品よりずっと早く進みます。一般論の数字で予算を組まず、ラボか台湾のパートナーに、製品ごとの見積もりを出してもらってください。

メーカーにBSMI登録を持ってもらうことはできますか? そのメーカーが台湾で登記された法人なら可能です。台湾に拠点のないブランドでは、よくある形です。ただし商売上の意味はよく考えてください。登録は保有者に紐づくので、この取り決めは口約束で済ませず、製造契約に書き込んでおくべきです。

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