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部品供給リスクマトリクス:BOMを赤黄緑で仕分ける

BOMの1行が全体を止める

BOMには百を超える行が並びますが、重みはまったく同じではありません。九十行はどこからでも買えて、来週には入ってきます。残りの数行が出荷できるかどうかを決めます。厄介なのは、表の上では見分けがつかないことです。品番、品名、員数、供給元。その表を眺めても、どの行が量産一本を止めるのかは分かりません。

そこで案件が量産に入る前に、BOMを広げて色分けします。赤、黄、緑。DFXレビューと同じ信号を使うのは理由があって、色がつけば判断せざるを得ませんし、記録に残った判断は誰かが追いかけるからです。

各行について問う4つのこと

この4つの答えを合わせて色が決まります。

第2供給元はあるか。 「理屈の上ではあるはず」では足りません。他社の部品で実際に作り、試験した実績があるかどうかです。認定済みの代替品と、リストに載っている社名は別物です。

リードタイムはどれだけか。 2週間の部品なら、何かあってから動いても間に合います。8〜12週間と回答が来る部品は、必要になる3か月ほど前から動き出す必要があり、その時点では需要見通しがまだ固まっていないのが普通です。

標準品か特殊品か。 標準品の背後には市場があります。特殊品の背後にあるのは1本の生産ラインで、そのラインには他のお客様もいます。

置き換えると認証に触るか。 ここが一番軽く見られます。部品を替えるとEMCや安全規格、生物学的安全性の試験をやり直すことになるなら、本当のリードタイムは試験機関の順番待ちです。試験機関は貴社の出荷日を考慮してくれません。

あるUV-C製品での実際のマ⁠ト⁠リ⁠ク⁠ス

UV-C除菌機能を持つ携帯型製品で、量産前に仕分けた結果です。供給元は社名ではなく分類で記載しています。

部品分類リスク段階リスクの出どころ打った手
275nm UV-C LED特殊部品、リードタイム8〜12週間、認定済み供給元が1社のみ第2供給元の認定を即時に並行着手。設計側でパッケージ互換性をあらかじめ確保
耐UV反射生地供給の裾野が狭く、生産枠の調整に左右される枠取り発注(ブランケットオーダー)で能力を早期に押さえ、2社を認定状態で維持
ファン標準品だが、能力に季節変動がある枠取り発注に加えて予備の供給元を確保
防水ファスナー緑(ただし管理対象)単一ブランドの独自仕様だが、供給実績は安定6週間前の発注を定例化し、生産終了通知の条項を有効に保つ
PCBAとMCU代替性が高く、認定済みの供給元が複数二社購買を標準とし、ファームウェアは2つの制御プラットフォームで動くよう設計

効いてくるのはLEDです。特殊な波長、長いリードタイム、認定済み供給元が1社。これが同じ行に揃うと、部品リスクとしてはほぼ上限まで集中しています。しかも赤をつけた日、この部品には何の問題も起きていませんでした。量産中ではなく量産前に色分けするのは、そのためです。単一調達が目に見える問題になった時点では、ラインはもう止まっています。

この赤から2つの動きが出ました。1つは商流の話で、第2供給元の認定をすぐ始め、既存の日程と並行で走らせました。もう1つは設計判断で、この段階ならほぼ費用がかかりません。パッケージのフットプリントを互換に保ち、代替LEDが基板改版なしで載るようにしました。金型と基板が凍結してしまえば、この選択肢は消えます。

緑は見なくてよいという意味⁠で⁠は⁠な⁠い

意見が割れるのはファスナーの行です。単一ブランド、独自仕様、代替品なし。第2供給元の有無だけで見れば赤にすべきです。それでも供給実績は安定していて、リードタイムは短く、部品自体も特殊ではありません。ここを赤にすると、存在しない問題に技術の工数を使うことになります。

そこで緑のまま、固定のルールを1本つけました。毎回6週間前に発注する。単一調達だが安定している状態と、複数調達だがどれも不安定な状態は、性質の違うリスクです。前者は発注のタイミングと生産終了の事前通知で管理できます。後者は供給構造そのものを直すしかなく、早めに発注しても解決しません。

色分けを実務に落とす

表に色を塗っただけでは何も変わりません。実務にするのは次の4つです。

需要見通しの精度が、長納期部品の手当てを決めます。 8〜12週間の部品では、需要が確定する数か月前に数量を約束することになります。見通しが固まっていないなら、そう申告してください。不確かさを表に出したまま調達判断を行うほうが、確定値のふりをするより安全です。

枠取り発注と安全在庫の使い分け。 枠取り発注は供給元の生産枠を押さえるもので、在庫を一度に引き取る必要がありません。能力がボトルネックになる黄の部品に向いています。安全在庫は費用と保管場所がかかりますが、供給停止に耐えられます。実際の案件では、行ごとに理由を分けて両方を併用することが多いです。

生産終了(EOL)の通知は先に取り決めます。 部品が生産終了になるとき、どれだけ前に知らせてもらえるのかを文書で確認してください。部品が製品より長生きしてくれることは、期待するほど多くありません。半年の猶予があるEOL通知は技術で処理できる案件です。差し戻された注文書で初めて知るEOLは、そうではありません。

第2供給元の認定は、電話ではなく実際の製作です。 サンプルを取り、作り、試験し、記録に残します。ISO 13485では供給者管理と変更管理が品質システムの一部ですから、この認定はそのまま記録として残ります。後日、その変更が安全だと言える根拠を問われたときに出せるものになります。

当社のプロセスでの位置づけ

Gootenは1996年から台中市大雅で電子製品を作ってきました。R&D、生産、品質保証が同一敷地にあり、ISO 13485:2016とISO 9001:2015の認証を保有しています。BOMのリスク評価は、5段階プロセスのうち金型とコストの段階で、金型費用とMOQの判断と並べて行います。どちらも数量計画に対してお金を約束する判断であり、後から見直すほど高くつくからです。

手元にBOMがあって、どの行が危ないのか判断がつかない場合は、部品表と目標数量を添えてお問い合わせください。NDAのうえ、当社のエンジニアが2営業日以内に一次的な見解をお返しします。

FAQ

どういう部品が高リスクになりますか?

4つが重なったときです。認定済みの代替品がない、リードタイムが長い、標準品ではなく特殊品である、置き換えると安全規格や認証の再試験が発生する。1つだけなら管理できます。同じ行に2つ以上そろったところから、案件は痛み始めます。

BOMのリスク評価はいつ行うべきですか?

量産の前、金型とコストを固める段階です。赤の判定がまだ設計を変えられるだけの早さが必要になります。基板が凍結する前なら、フットプリントを互換にしておくことも、より一般的なパッケージを選び直すことも、ほとんど費用なしでできます。

単一調達の部品は必ず問題になりますか?

いいえ。供給実績が安定していてリードタイムも短い単一調達なら、発注のタイミングと生産終了の通知で管理できます。単一調達が危険になるのは、長納期、特殊仕様、あるいは変更のたびに認証の再試験がついてくるという条件と重なったと⁠き⁠で⁠す⁠。

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